【4日目】シェムリアップの町を歩く
徐々に疲れがたまってきたせいか、この日はどこにも行く気がしなかったんです。
って事でこの日一日はホテルのプールで泳いだり、木陰で本を読んだり、
夕方はダウンタウンまでぶらぶら散歩しよう!と決めました。なんて贅沢な旅。
ひとまず朝食をと思って部屋のドアを開けると、頭上から顔半分をかすめて左肩に何かがポトン・・・
「うわーうわートカゲ!」
こんな経験が出来るホテルなんてそうそうないよなぁと少し得をした気分。
決めた通り、朝食を済ませると読書をして、午後からはプールで運動不足を避けるためにひと泳ぎ。夕方からはカンボジアの人たちの暮らしを眺めながら徒歩でダウンタウンまで。
実はこれが、僕にとってはすごく楽しい。
その国の人、空気、音、匂い。それらを眺めたり感じながら散歩するのが本当に楽しい。
まだ舗装されていない赤土の道路。砂埃を上げて走る車やバイク。
トゥクトゥクから声をかけてくるおじさんや、目が合うと「HELLO」と笑いかけてくる人たち。
日用雑貨を売る店や、携帯ショップに食堂、子供が店番をするパンや。
観光者向けのホテルや両替所などのお店が並んでいるのに、決して窮屈ではない街並み。
その国の日常の生活の姿を見る事が、僕にとっての旅の魅力なんだなと、今回強く実感しました。
きっとこの町もあと数年すればバンコクの様な大きな都市に姿を変えるんだろうなぁと、少し淋しく思いながら。
そういえば昔、一人旅の好きな友達が、
「テレビや映画でその国や町や人々がどんなものかなんとなくわかるけど、匂いだけはその国に行かないとわからないんだよ」と言ってたっけ。
シェムリアップの街を眺めながら、そんな言葉を思い出していました。
オールドマーケットを冷やかして、屋台でおやつを買って道端で食べていたら、隣から女性の怒号が。
日本人の夫婦喧嘩・・・。
けれどそんな怒号も車やバイクの音にかき消されていく。素晴らしき町、シェムリアップ。
初日に訪れたマッサージやに行って、ボディマッサージ(1時間、約600円)をお願いしたんですが、マッサージのおねーさんは人なつっこくて、マッサージをしながらも僕の頬をつっついてきたり、
「あなたの顔、日本人には見えないね」とケラケラからかってきたり。
そんなこんなであちこちで時間をつぶしていると、すっかり日も暮れたので徒歩でホテルに帰りました。
この日、夜のレストランで夕食をとっているとカンボジア人の女性が英語で話しかけてきました。
女性「あなた、明日帰るんでしょ?カンボジアは楽しめた?」
僕「あ、はい。とても楽しかったです。ここのホテルは新しいんですか?」
女性「ええ。数年前に。主人と経営しているの。あれが主人よ(白人の男性を指指す)」
僕「あ・・・、、なるほど」
女性「気を付けてね。またぜひ遊びにおいでね」
僕「もちろんです。本当に今回はありがとうございました」
笑顔で笑いかけてくれたオーナーの奥さんに心が温まりました。
この時「ああ、英語を勉強しといて本当によかった」と心から思った。簡単な英語だけど。
意思表示だけではなく、その先にある優しさや労りを英語から読み取る事が出来た。
そして自分自身も伝える事ができた。
気持ちが大きすぎて言い表しがたいけど、出来るだけその気持ちに沿う言葉で。
海外に行くと、なかなか自分だけでは大変な事があるからこそ、人のお世話になる事が多い。
その時「ありがとう」をできるだけ気持ちに近い言葉で伝えるために語学は必要だなと思う。
ジェスチャーでも旅はできるんだけど、言葉で伝える事が出来ると急に距離が縮まった気がする。
3年前はまったく英語を喋れず、タイ人にバカにされたあの屈辱。
このカンボジアの旅で、少し浄化された気がします。(笑)
では、明日は昼の飛行機でバンコクへ戻りますか。
今回のホテル Lotus Garden Boutique